魁・虎視眈々

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zoom RSS 実像と虚像

<<   作成日時 : 2015/04/16 01:58   >>

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こんばんわ。


最近、カメラを買い増ししました。
キヤノンのEOS5Dという機種。
2005年製の中古でも5万もしたが買った。

そして最近思っていることがあるのだが。
町中に溢れている写真があまりにも現実を逸脱した創作物であるということ。

伊豆の写真家である野口氏をFacebookで見つけてからフォローしているが、
ときたま?となる写真がある。
というよりは、「写真」という枠に何でもかんでも詰め込んでいることにだ。

画像

この写真がFacebookに掲載された時の野口氏のコメントは以下の通り。
「今日は貴重な晴れ間 西伊豆 那賀川桜堤と南伊豆の青野川の桜を撮りに行ってきました。明日は雨のようで桜はラストチャンスでした。たくさん撮りました。とりあえずこの一枚」

まず思うのが、この画像の通りに見える人間は世界中探しても一人もいない。


おそらく、現地に自分が立って眼球を通して脳に反映される画は↓のほうが近いと思う。
画像



この葛藤について書き始めるとずっとキーボードを打ち続ける気がするから端的に書かなければいけないが、
「カメラ」は昔、人間が目で見ている映像を切りとってずっと残しておけないかという欲から生まれたものであるはずだ。“真実を写す”という概念は個人によって振れ幅は多少違えど、俺はカメラと写真が人間によって生み出されたものであるならば人間の目に映る以上のモノが「写真」とはならないと思う。

この野口氏、JRのポスターにも毎年“作品”を提供している。
画像


彼は伊豆在住であるが、俺も伊豆が好きな人間で、たくさん行っているからわかる。
残念ながら白浜大浜はどんな自然条件が重なろうと、このような発色までは至らない。この画像のように人間の目に映ることはない。
ノルウェーやアラスカの自然環境であれば、人間の目にもこう映るかもしれないが。


JRの駅に張り出されるポスターだ。この手のポスターは毎年5月か6月頃に出る。
その夏、伊豆へどれだけ乗客を運べるか、JRが用意した旅行プランの申し込みをどれだけ増加させられるか、
「お金」に関わってくるのだ。
商業目的のポスターには、写真家の意図ではなく、運営者の意図が反映される。

PCを起動し、専用のソフトを立ち上げる。
まずはノイズと呼ばれる画像内の小さな白い点を除去する、次に右手に握ったマウスで増幅させたい色の発色レベルバーを上げていく。
たったこれだけの操作が、「写真」という概念を逸脱し、「意図した創作物」を生み出す。

たしかに、風景写真で人々に感動を与えることは難しいのだ。
空気の汚れた日本ではなおさらのこと。
見えていなければいけない向こうの大島が濁った空気によって霞んでしまうことが普通なのだ。
空気が濁っていなくとも、空気中の水蒸気に太陽光が反射して光の交差が多量発生し、霞んだように見えてしまう。
だから反射光を除去する専用フィルターをレンズに取り付けるし、後日PCでさらに鮮明にする処理もする。
結果、実際伊豆に初めて行った人間はあの時JRの駅で見たポスターとの差を感じる。
「思ってたほどじゃないじゃん」と感じてしまうのだ。

だって、旅立つ前に虚像を叩きこまれてんだから。

伊豆が持つ魅力を虚像でもって増幅させ、現地で事実を知らされる。
現地の魅力が低いのではなく、人間が勝手に虚像を植え付けることで伊豆が「たいしたことない場所」の評価となる。

野口氏のHPを覗けば自分が知っている通りの伊豆が映っているものがある。
きっと本人も葛藤の末、線を引いているのだと思う。写真を提供することが彼の職業だから。
「写真」と「創作物」の線引き。

今はネットにいろんな写真投稿サイトが溢れている。
どれも「写真」という枠組みで構成されている。
“朝一で絶好の場所を確保し、待つこと1時間、最高の一枚が撮れました”とあるが、夕方家のPCで発色レベルバーを上げ下げして上書き保存したことなど一目瞭然である。プロパティにはPhotoshopの文字もある。

この前、となりのコジマ電機でEOS5Dの最新機種(30万円以上)を手にして何枚か撮ってみたが愕然とした。
例え宝くじで1億当たっても買わないと思う。
設定は何もいじらず、カメラ任せで撮った写真が冒頭に上げた写真に近い感じで小窓ディスプレイに映ったのだ。

もう、カメラが人間の目に近付く時代などとうに過ぎてしまったのだ。
いつの間にかカメラの基準は人間の脳に投影される画以上の創作物となってしまった。

何が悲しいかって、このまま行けば素晴らしい自然や美しいモノ、キレイなお姉さんを街角で見かけても何も感じなくなってしまうこと。

早いこと写真業界にも「写真」と「創作物」の区分けをはっきりとしてほしいものだ。


結局、端的にはなっておりませんが、まだまだ言いたいことはある。
続きはまた気が向いた時に書きます。


ちょっとすっきり。


では、おやすみなさい。

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